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色素性痒疹という疾患があります。思春期前後の女性の前胸部,後頸部,背部に好発し,激しいかゆみを伴う紅色丘疹を繰り返し、その後に網目状の色素沈着を残すという特徴があります。原因はいまだ不明ですが、糖尿病、ダイエット、ペットボトル症候群などのケトーシスをきたす疾患との関連性が疑われています。ここで、ケトーシスとは何でしょうか?
人間はエネルギー源として主に糖分を利用します。糖分は食事で補給します。食事で補給された糖分は主に肝臓と筋肉に貯蔵されます。ここに貯蔵された糖分を切り崩して利用しています。この糖分のストックが少なくなってくると、私たちは空腹を感じ、食事をすることでまた糖分を補給します。ストックされた糖分はおよそ24時間程度で枯渇します。糖分のストックが枯渇した場合、主に脂肪がエネルギー源として利用されます。脂肪が利用される際にケトン体といわれる物質が生じます。このケトン体が過剰になった状態をケトーシスと言います。ケトーシスが色素性痒疹にどのように関連しているのか、具体的なことはまだわかっていませんが、色素性痒疹を発症した方の多くにケトーシスが認められます。
ケトーシスは上記の通り、糖分が枯渇し補給されないと発症します※。このようなケースとしてはダイエットが多いかと思います。若い女性が過度に糖質を制限したダイエットを行い発症してしまうケースが多いようです。
色素性痒疹の治療はミノサイクリンという抗生物質の内服が第一選択になります。ステロイドの外用はあまり効果がありません。しかし、最も大切なことはバランスの良い食事を取ることです。
※糖尿病の方は、もともと体が糖分の利用および貯蔵を上手くできません。そのため、糖分の補給だけではなくインスリンによる治療も必要です。