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【「イボ」について】
多くの患者様が「イボ」で受診されます。実は「イボ」には色々な種類があるのですが、ウィルス感染による「イボ」が多いように思われます。ウィルス感染による「イボ」の正式名称は「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言います。ヒトパピローマウイルスというウィルスによる感染症です。稀にご自身の免疫力のみで治癒するケースもございますが、ほとんどの場合、医療機関で治療しないと徐々にサイズが大きくなり、他の部位に感染し数が増えていきます。
感染部位は足の裏が圧倒的に多いです。次に多いのが手指です。ウィルスは皮膚のちょっとした傷から感染します。したがって、日常的に負荷がかかることが多い手足に感染しやすいというわけです。
【治療について】
治療方法は何通りかありますが、最もオーソドックスな方法は液体窒素です。液体窒素を患部に直接あてることで、ウィルスに感染した細胞を壊死させます。(その他、フェノール液、トリクロロ酢酸液を使用することもありますが、目的は液体窒素と同じです。)液体窒素の治療だけでは上手く行かない場合は軟膏を併用することもあります。(医療機関によってはレーザー治療を併用する場合もあります。)
治療期間ですが、患者様の免疫力および感染部位により異なります。若い方ほど早くなおる傾向にあります。最も多い足の裏は非常に治りにくいです。歩くたびに足の裏が地面と接触しますが、その際にウィルスが奥の方に押し込まれてしまうためです。
【ブレオマイシン注射について】
足の裏の尋常性疣贅を液体窒素のみで治療すると、治るまでに非常に時間がかかります。患者様にもよりますが、毎週1回治療を継続したと仮定して、早くても3,4か月はかかります。場合によっては1~2年通院しても治らないというケースも稀ではありません。
そこで、治りが悪い足底の尋常性疣贅にお勧めする治療方法がブレオマイシン注射です。この治療方法は患部に直接注射で薬液を投与します。この治療方法の良い点は、月1回程度の間隔で2~3回注射すると患部の9割くらいは治ります。残存した部位は液体窒素で十分治療可能です。この治療方法のデメリットは、施術そのものが痛いということと、施術後約5日間程度は疼痛が持続するという点です。また、保険外治療となりますので、1回の施術で約1万円かかる点です。
ただし、金額に関しましては、注射を3回施行した場合と液体窒素の治療を毎週1回1年間継続した場合とでほぼ同じ金額です。したがって、液体窒素を1年以上施行しても治りそうもないと思われる場合はブレオマイシン注射をお勧めしております。液体窒素を長期間施行しているが全く治らないという患者様にもおすすめです。