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野球を見ると、捕手の守備に感心します。内野ゴロの場合、内野手は1塁に送球します(もちろん状況で違います)。その際、捕手は必ずファールグランドを1塁方向に走ります。もし悪送球で1塁手が補球できない場合の備えです。プロでも「悪送球は起こる」と想定しているのです。 下の写真は内野ゴロの送球が1塁手が捕れず、ファールグランドに転がったボールをカバーに走っていた捕手が捕り1塁へ送球、飛び出した打者走者がタッチアウトになった場面です。
コロナ・ワクチンの場合、被接種者は予約から接種当日まで様々な手続きがあり、接種する側はワクチンの確保と保存、人員の確保、接種会場の手配・設営、被接種者の名前や回数の確認、ファイザー社製であればワクチンの溶解・希釈、人数分の取り分け、保存時間の確認。実際の接種の流れ、接種後の状態確認など。複雑な手順がいくつもあります。
どの会場、施設でもミスがないよう、工夫、努力をしています。
しかし、現実は様々なミスが起こっています。管理法の勘違いや冷蔵庫の電源不良、接種回数のミス、「空気」の接種や希釈せず原液を接種など。
1)フェイル・セーフ(fail safe)とは
「人間は間違いをおこすもの」という前提でミスの被害を最小限に抑えようとするシステムです。
例えば、職場まで車で通勤している人。途中で工事や事故などがある場合に備えて、あらかじめ迂回路を1つ2つ設定しておきます。
遠回りするかも知れませんが、「職場に到着する」という最大目標は達成できます。
捕手の1塁カバーも、悪送球で1塁がセーフでも、2塁までは行かせない「より悪い状況を防ぐ」のです。
2)フール・プルーフ(fool proof)とは
直訳すれば「馬鹿を守る」となります。これはフェイル・セーフよりはさらに厳重で、「間違えようがないシステム」です。職場に「絶対遅刻したくない日」があるとします。その場合、大統領並みに?道路を封鎖し、白バイやパトカーに先導してもらえば確実ですが、大袈裟で非現実的。かなりの迷惑?ですね。
3)インターロック(inter rock)とは
インターロックとは「ある条件がそろわないと動作しない」という事故防止システムです。
電車、エレベーター、電子レンジ、洗濯機などはドアが閉まらないと作動しないようになっています。
これらの「フェイル・セーフ」、「フール・プルーフ」、「インターロック」を意識すれば、コロナワクチンのミスも少なくできるかも知れません。
4)ファイザー社製ワクチンの複雑さへの対応
①保存管理:接種会場では冷凍庫・冷蔵庫は専門業者に設置してもらうのが安全策です。電気の素人よりはミスが少ないハズです。補助電源も有用です(ファイル・セーフ)。
②分注:原液を希釈し注射器に分注する作業も複雑です。最初から薬液入りの「針付き注射器」に入っていればミスが減ります(フール・プルーフ)。でも費用の問題等があるのでしょ
う。
5)接種システム
①同日に2度接種:被接種者の体に「接種済みシール」を貼り、速やかに接種後の状態を見る場所に誘導し、接種場所に戻れないように一方通行にする、など。同じ場所に居るから打っ
てしまうのです。
②「希釈せず」や「空気」を接種:準備する際、注射器への分注までダブルチェックが必要です(ファイル・セーフ)。そして、打ち手もシリンジに規定量が入っているかを確認後接種
すべきです。注射溶液は透明で見えにくいので色を付けるのも良いかと思います。
③予約日や接種回数の間違い:コロナワクチンが毎年のものになれば、電子カードを作り、接種会場に読み取り機械を設置、カードを通す。予約日や回数が一致しない人は入場不可とし
ます(インターロック)。マイナンバーカード活用はどうでしょうか。