【花粉皮膚炎とは】
❑病態
花粉症は、鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状だけでなく、皮膚にも様々な症状を引き起こすことがあります。
花粉による皮膚症状は、「花粉皮膚炎」とも呼ばれ、近年増加傾向にあります。
❑主な症状
- かゆみ
皮膚の表面がムズムズしたり、チクチクしたりするようなかゆみが現れます。
特に、顔、首、手の甲など、露出している部分に症状が出やすいです。
- 赤み
かゆみのある部分が赤く腫れ上がることがあります。
- 湿疹
小さな赤いブツブツや、蕁麻疹のような膨疹が現れることがあります。
- 乾燥
皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。
- ヒリヒリ感
皮膚が敏感になり、刺激に対してヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
- 目の周りの腫れ、かゆみ
目の周りの皮膚は薄く敏感なため、花粉の影響を受けやすく、腫れやかゆみが起こりやすいです。
❑原因
花粉皮膚炎は、花粉に対するアレルギー反応によって引き起こされます。花粉が皮膚に付着すると、以下のメカニズムで炎症が起こります。
- 感作
花粉が皮膚に付着すると、免疫システムが花粉を異物として認識し、IgE抗体という物質を作り出します。
- 抗原抗体反応
再び花粉が皮膚に付着すると、IgE抗体が花粉と結合し、マスト細胞という細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。
- 炎症
ヒスタミンなどの化学物質が、かゆみ、赤み、腫れなどの炎症反応を引き起こします。
❑花粉皮膚炎になりやすい人
- アトピー性皮膚炎の方
- 乾燥肌の方
- 敏感肌の方
- バリア機能が低下している方
❑治療
花粉皮膚炎の治療には、以下の方法があります。
- 薬物療法
- 抗ヒスタミン薬:かゆみを抑えます。
- ステロイド外用薬:炎症を抑えます。
- 抗アレルギー薬:アレルギー反応を抑えます。
- 光線療法
- アレルゲン免疫療法
- アレルゲンを少量ずつ投与することで、体を慣らし、アレルギー反応を弱めます。
❑日常生活での注意点
- 十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めましょう。
- ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を作りましょう。
- 掻きむしると症状が悪化するため、掻かないようにしましょう。
❑対策
花粉皮膚炎の対策としては、以下のことが挙げられます。
- 花粉を避ける
- 花粉の飛散が多い日は、外出を控える。
- 外出時は、マスク、メガネ、帽子などを着用する。
- 帰宅後は、手洗いやうがいを徹底する。
- 洗濯物や布団は、室内に干す。
- 空気清浄機を使用する。
- スキンケア
- 保湿を徹底する。
- 低刺激のスキンケア用品を使用する。
- 紫外線対策を行う。
- こすらない。
- 医療機関を受診する
- 症状がひどい場合は、皮膚科やアレルギー科を受診し、適切な治療を受ける。
❑まとめ
花粉皮膚炎は、適切な対策と治療を行うことで、症状を改善することができます。
早めに医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を行いましょう。
健康や病気について学べるクリニック
東武スカイツリーライン五反野駅より徒歩2分。
監修 小林 俊一理事長