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「発熱」
子供さんの発熱は小児の症状では一般的なものです。しかし、親御さんにとっては、わが子の発熱は心配でいろいろ大変です。
人間は生まれて数カ月は母体からもらった免疫で生後2か月頃までは発熱することはまずありません。
生後2か月までに発熱があれば、小児科医は細菌感染を考慮し、大きな病院での詳しい検査を勧めます。細菌感染であれば、なんという種類の細菌が、どこに(尿、血液、髄液など)入っているのかを調べます。細菌であれば入院し抗生剤治療の点滴治療が必要な場合もあります。
生後数か月以降の発熱はウイルス感染症をまず考えます。いわゆる「のどかぜ」で鼻汁や咳を伴う場合があります。不機嫌であれば急性中耳炎合併も考えます。
1歳前から1歳代の発熱は突発性発疹症の可能性があります。3日ほど発熱し、解熱と同時くらいに発疹が出ます。熱が高くても機嫌もよく、食欲も問題ない場合が多いです。突発性発疹症が生まれて初めての熱というお子さんも多くいます。突発性発疹症は怖くありませんが、しばらく予防接種はうけられないので注意しましょう。予防接種の予定もあるので、小児科医に診断してもらいましょう。そのためには発疹が出たら消えないうちに携帯で写真を撮っておけばよいかも知れません。
一般的な風邪ウイルスでも3-4日発熱が持続する場合があります。熱が心配で解熱剤を頻回に使用する家族がいますが、解熱剤で感染症を治すわけではないのです。人間は発熱によって微生物をやっつけようとしているのです。感染症自体が収まらない間は、解熱剤で下げても体温は再び上昇します。傘をさしても雨が止まないのと一緒です。発熱時で最も大切なのは水分を多めに摂って脱水症を予防することです。食欲が落ちると、食事を食べさせようとあせる親御さんがいますが水分を優先しましょう。
2,3日は「家で安静」が基本ですが、もし、咳が多くヒューヒューいったり、息が早く苦しそう、嘔吐や下痢が頻回、水分摂取量が少なく、尿量も少ない、などがあれば、早めの受診が必要です。
大学病院にいた時、元気はあるものの発熱で午前受診した幼児。午後も熱が持続し、夕方も受診。お父さんが夜に帰宅し、今度はお父さんも心配で深夜に救急を受診するという例を複数経験しました。発熱以外に大きな症状が無ければ、安静も大事な治療ですので落ち着いて対処しましょう。
熱ばかりに気を取られず、ぐったり度、水分摂取量や尿の回数、量、咳があればその頻度や呼吸困難の有無、呼吸回数など。嘔吐や下痢の有無や回数をチェックしましょう。