ブログ
Blog
ブログ
Blog
今年もインフルエンザワクチン接種が開始されます。
当クリニックの予定では10月1日から接種開始です。近日中に予定をHPでお知らせします。
今シーズンは足立区の制度により、生後6ヵ月から高校3年生相当の年齢まで1回につき2000円が助成されます。各医療機関設定の代金から差額をお支払いください。
助成対象の年齢と接種回数は下記のとおりです。高校3年生相当の年齢を超えると助成はありません。
・生後6ヵ月から12歳まで:2回接種(2回とも助成あり)
・13歳から高校3年生相当:1回接種
毎シーズン、WHOがそのシーズンに流行するインフルエンザウイルスの株を予測します。それを参考に日本の厚労省が日本で使用するワクチンに含む株を検討します。
ワクチンには厚労省が決定したA型2種類(H1N1とH3N2)とB型2種類の計4株が含まれます。ただし、B型の山形株は近年の流行がなく、来シーズンから含有しない可能性があります。つまり、いづれはA型2種類とB型1種類の計3種類となる方針です。
インフルエンザウイルスを少し詳しく見てみます。インフルエンザウイルスにはウイルスの表面にヘマグルチニン(HA)とノイラミダーゼ(NA)という二つの突起があり、たんぱく質でできています。
どのウイルスも生物の細胞内に入らないと生きていけません。人間の呼吸などで体に入ったインフルエンザウイルスはHAを細胞壁にくっつけて、細胞内に侵入します(下図の①)。ウイルスは細胞内で増殖し、今度はNAを使って細胞外から出て(図の⑥)次の細胞への侵入を企てます。変な例えですが、泥棒が合鍵(HA)で家に侵入し、金や物を盗んでNAという出口用の鍵で外に出て、さらに他の家に盗みに入るようなものです。。
ワクチンに含有されるA型のH1N1とH3N2。H1やH3はHAの型を表します。Hには1~16の16種類、Nには1~9の9種類があります。つまり、HA16種類とNA9種類の組み合わせは16×9で144種類の組み合わせが可能で、亜型と言われています。ただし、下の図の様に、人間に感染するもの、鳥やブタに感染するものなど型によって感染する相手(宿主)が違います。
B型には亜型が無く、A型ほど種類はないので、HやNでは分類されません。
実はインフルエンザにはほかにC型とD型もあるのです。C型は子どもの頃に感染し、風邪程度で終わってしまい、終生免疫(1度かかったら2度かからない)を得るとされています。迅速検査もないくらいなので、実質上あまり注目されません。D型は牛に感染しますが、人間には感染しないので、こちらも人間には心配ないウイルスです。
インフルエンザには先述のワクチンがあるので、感染予防目的、あるいは感染しても重症化しないというメリットもあるので、接種がお勧めです。
もし感染した場合、タミフルやイナビルなどの抗ウイルス薬がありますが、発熱の翌日から最低5日間は登園や登校はできないので、この点も家族には負担になります。インフルエンザ流行の報道があれば、不要不急の外出はしない、手洗い、充分な睡眠に心掛けてワクチン接種も併用しましょう。
鼻に点鼻する「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」であるフルミストの国内使用が承認されました。
下の表の右欄の様に2歳以上19歳未満が対象です。
ただし、助成の対象外でもあり、当クリニックで経鼻接種を行うかは、まだ未定です。