足立区で皮膚科・小児科なら五反野皮ふ・こどもクリニック|土日診療

〒120-0011 東京都足立区中央本町2-26-13 サミット五反野店3階

Web予約

MENU

ブログ

Blog

熱中症について。予防が大切!


今年も暑く、熱中症が問題なる時期になりました。

連日、猛暑、高気温のニュースが流れています。

熱中症について、毎年、同じような内容をこのコラムに書きますが、重要なので繰り返します。

今年の4月から環境省は熱中症のリスクをよりアピールするため、新たに「熱中症特別警戒アラート」という警戒情報の項目を新設しました。

これまでは「暑さ指数」が33~34の場合に「熱中症警戒アラート」としていましたが、それよりもリスクが高い「暑さ指数」が35以上になると予測した場合、前日の午後2時頃に環境省が発表します(都道府県ごと)。

つまり、昨年よりも、国民に注意喚起をうながそう、というものです。

それでは「暑さ指数(WBGT)」とは何でしょうか。WBGTは湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)といい、元は熱中症予防のために1954年にアメリカで考案されたものです。本来は、

①湿球温度(水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測した温度)、②黒球温度(黒色に塗装された薄い銅板の球の中心に温度計をいれて観測した温度)、

③乾球温度(通常の温度計で気温を観測した温度)の3つの測定値から計算するのですが、下の図のように、簡略的にした表から簡単にWBGTをチェックできます。

新聞やネットでその日の気温、湿度を調べて当てはめればすぐわかります。

例えば、2024年7月8日の足立区での14時の気温(乾球温度)は36.0℃、湿度(相対湿度)は55%です。


表からその交点を見ると、WBGTは32℃になります。WBGTも実際の気温も度(℃)で表記されるので注意が必要です。WBGT32℃は上の表では31以上となり、熱中症は「すべての生活活動でおこる危険性」、「高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。」、「外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。」、「運動は原則中止」ということになります。

皆さんも外出する際、新聞などでその日の気温、湿度からWBGTをチェックし、その結果が31以上であれば、できれば外出は控え、せめて長時間の外出は控えた方が安心です。

下の気象協会の「熱中症の症状・応急処置」と「熱中症の予防・対策」を参照にしてください。


日頃、WBGTを確認し、無用な外出を避けるのが第一でしょう。買い物も午前中や夕方以降の比較的WBGTが低い時間帯を利用するなど。しかし、どうしても外出が必要、特に子どもたちが夏休み、お盆休みとなれば帰省や旅行もあるでしょう。毎年、問題になるように、子どもたちを車内に残すのは絶対にやめましょう。

さて、予防法としてまず大切なのは水分補給と塩分補給です。水分補給は分かっていても、塩分補給を忘れている人が多いのです。特に小児は汗からの塩分喪失が大きいのです。

塩分の少ない飲料を飲むばかりでは血液中の塩分(Na、ナトリウム)は薄まるばかりで、「水中毒」の原因にもなります。

下の表は、飲料水の成分比較ですが、海外ガイドラインのWHO推奨のORS(経口補水液)は塩分(Na)濃度75や90mEq/Lになっています。市販のポカリスエットは21mEq/L

アクエリアスは14.8mEq/Lでスポーツ飲料はかなり低い塩分濃度です。一番のお勧めは市販にもあるOS-1です。Na濃度は50mEq/LでWHO推奨よりは低いですが、あまり濃度が高いと、しょっぱくてなかなか飲んでくれません。OS-1でも結構しょっぱく感じると思います。

是非、外出時はOS-1か、これに近い組成の補水液を飲むようにしましょう。しょっぱくて嫌なら、間にジュースやお茶を飲んでもいいのですが、メインは経口補水液にしましょう。

 

それでは、OS-1の場合はどれくらいの量を飲めばいいのでしょうか?ここではOS-1に添付されている飲む量の目安を添付しておきます。

他の補水液もほぼ同様に考えていいかと思います。

今回は熱中症について述べました。以下に要点をまとめました。

①暑さ指数(WBGT)をチェックし、高い場合、特に31以上では外出を控えるようにしましょう。

②外出時は水分と塩分の補給を忘れず、日陰や風通しの良い場所で休憩を小まめに。

③日常の睡眠、3食をきちんととる、疲れを残さず、無理をしない。

みんなでこの夏を乗り切りましょう!

pagetop