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RSウイルス、落ち着いて考えましょう


RSウイルス流行により、保育園や家族での心配が広がっています。正しい知識を得て、不必要な検査や不要な休園を控えましょう。

1.Sウイルスは例年は秋から冬に流行しますが、今年は夏に流行しています。

2.このウイルスには2歳代までにほぼ全員のお子さんが感染します。

3.軽度の鼻水や咳の「風邪症状」で済む場合もあり、気づかない場合も多くあります。

4.「熱」、「鼻水が多い」、「痰がらみの激しい咳」、「ゼーゼーがある」、「お腹や胸をぺこぺこさせて呼吸が早い」などの症状があり、「ずっと機嫌が悪く」、「水分摂取も少ない」場合はRSウイルスの検査の上、入院も考慮する場合があります。

5.特に1歳未満のお子さんや、早産や低出生体重児、心臓や肺・気管支に病気があるお子さん、ダウン症や免疫不全のお子さんは重症化しやすいので、慎重に経過をみる必要があります。

6.1歳以上で基礎疾患が無いお子さんは、RSウイルスに感染しても重症化する可能性は低いとされています。

7.RSウイルスの迅速検査は1歳を過ぎると保険適応はありません。

8.保育園や周囲でRSウイルスのお子さんがいても、1歳以上で入院するほど症状が強くなければ、検査は必要ありません。検査が必要かは医師が判断します。保育園や幼稚園に検査を要求する権限はありません。

9.RSウイルス検査が陽性でも特別な治療法はありません。気管支拡張剤や去痰剤、熱があれば熱さましです。

10.基本、治癒証明は必要ありません。解熱し、咳や鼻水が軽度で、食欲や睡眠が問題なければ登園可能です。

11.RSウイルスには「学校感染症と出席停止の基準」に登園や登校についての取り決めはありません。

12.RSウイルスの迅速検査は保育園や幼稚園のためにやるものではありません。入院が必要な場合に、医師や看護師、病院側にとって他の入院患者に感染を広げないために必要なのです。検査はお子さんにとっては大変痛くて嫌な検査です。不要な検査は控えたいところです。

13.以上のように、基礎疾患がない1歳以上のお子さんにとっては、もしRSウイルスに感染しても入院が必

要になるほど重症化することは少ないのです。また、特効薬や前もって投与すれば軽症化が期待できる

薬もありません。

14.RSウイルスのことを良く理解していただき、検査が必要かは医師が判断します。検査を登園の判断に利

用するのは間違いで家族の負担になるだけでなく、お子さんが一番かわいそうです。

15.家庭に赤ちゃんがいる場合、他のきょうだいに咳や鼻水があったり、RSウイルス感染者がいる場合は、赤ちゃんに触ったり、目の前で話しかけるなどは控えましょう。

16.どの種類の感染症でも保育園や幼稚園はもちろん、家庭内でも感染予防が大切です。アルコール消毒、手洗いの徹底。おもちゃを共有しない、舐めたり触ったりすればよく洗う。咳や鼻汁がある家族がいれば、家の中でもマスクをする、胃腸炎の症状があれば食事の食器は紙容器など使い捨てのものを使用するなど感染予防の工夫をしましょう。

17.RSウイルスは感染しても症状が軽度のものから呼吸困難をきたして入院が必要なものまで程度が様々です。

感染しても重症化せずに経過し、普通に登園が可能な場合が多くあります。

検査にたよるのではなく、お子さんの症状がどの程度か、が重要なのです。1歳以上で軽症であれば「RS=怖い」ではありません。

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