糖尿病は、インスリン作用不足により高血糖が続く病気で、全身の血管や神経が損傷します 。皮膚は影響を受けやすく、乾燥、かゆみ、感覚低下、傷の治りにくさなどが生じます 。皮膚症状は糖尿病の進行度を示す重要な指標です 。
皮膚の乾燥とかゆみが一般的で、夜間に悪化しやすいです 。血行不良や免疫低下で傷が治りにくく、感染症リスクも高まります 。神経障害により痛みを感じにくいため、水疱やタコ、傷に気づきにくい点が特徴です 。赤い斑点、水疱、タコ、爪の異変、黒色表皮腫なども見られます 。
高血糖による脱水や多尿、自律神経障害による発汗低下が皮膚の乾燥とかゆみを招きます 。血管障害で血行不良となり、傷の治りが遅れます 。神経障害で感覚が鈍り、免疫機能低下で感染症にかかりやすくなります 。これらが複雑に絡み合い、皮膚トラブルを引き起こします 。
高血糖関連(乾燥、水疱、リポイド類壊死症など)、感染症(水虫、毛嚢炎、カンジダ症など)、神経・血管障害関連(潰瘍・壊疽、タコ、Dupuytren拘縮など)、薬剤性皮膚障害(水疱性類天疱瘡など)に分類されます 。
特に足は、血行不良、神経障害、免疫力低下が複合し、潰瘍や壊疽のリスクが高く、日々の観察が重要です 。手にはしびれやDupuytren拘縮、顔・首・肩には黒色表皮腫などが見られます 。
血糖コントロールの徹底が最も重要です 。毎日のスキンケアとして保湿と清潔を保ち、紫外線対策を行いましょう 。足は特に丁寧にケアし、毎日観察、爪を適切に切り、足に合った靴を選び、やけどに注意してください 。傷は自己処置せず、医療機関に相談しましょう 。
血糖値やHbA1cの異常、多尿、口渇、体重減少などの糖尿病初期症状がある場合は受診を検討してください 。皮膚症状では、傷の周囲の赤み・腫れ・膿、治らない傷、潰瘍化したタコ、異常な悪臭、足の変色(特に黒ずみ)、しびれの進行、やけど、薬剤による水ぶくれなどがあれば速やかに受診が必要です 。
問診、視診、触診で皮膚症状と糖尿病の全身状態を評価します 。必要に応じて、血糖値・HbA1cの採血検査、神経機能評価(感覚、反射)、血流評価、感染症の検査(血液検査、細菌培養)、骨の画像検査、組織検査などを行い、原因と進行度を詳細に調べます 。
診断は血管障害、神経障害、細菌感染の側面から総合的に行われます 。治療の原則は血糖コントロールと栄養指導です 。症状により血流改善薬、血管内治療、抗菌薬などを用います 。潰瘍化した場合の治療として壊死組織除去、外用薬、ドレッシング材、陰圧閉鎖療法などがあります 。多職種連携と患者教育も重要です 。
初診では詳細な問診、全身の皮膚(特に足)の視診・触診で状態を把握します 。必要に応じて精密検査を検討し、診断と治療方針を丁寧に説明します 。フットケア指導や患者教育も行い、他科連携も積極的に行います 。定期的なフォローアップも重要です 。
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~~