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マスクをもう一度考える


先日、朝日新聞にもマスクについての説明が紙面を割いて述べてありました。

日常の生活に浸透してしまったマスク姿、新聞にも改めて記載されたということは、もう一度マスクを再認識するべきだという事でしょうか。

コロナ禍においてのマスクの目的は「空気中のコロナウイルスを吸い込まない、自分が感染者の場合は空気中にコロナウイルスを出さない」ことです。感染者から出たウイルスを吸い込むのは誰でも嫌ですが、意外に忘れがちなのが「自分も感染者の可能性がある」という事です。スポーツ選手や芸能人が無症状であっても検査で陽性となったニュースも多くみられました。こういう無症状感染者が無意識にウイルスを排出しているのも問題なのです。常に「自分もコロナに感染しているかも」という自覚が必要です。

下の図はさいたま市の「健康科学研究センター」のHPに記載されたものです。

不織布マスクの「すき間」の大きさとスギ花粉やウイルスの大きさを比較したもです。

図のように、コロナウイルスのようなウイルスの大きさは0.1マイクロメートルで不織布マスクのすき間3マイクロメートルよりはるかに小さく、ウイルス自体は余裕でマスクを通過します。しかし、ウイルスは会話やくしゃみ、咳で唾液に包まれた「飛沫」と一緒に空気中にでます。この飛沫の大きさは5-10マイクロメートルですので、不織布マスクのすき間よりも大きく、感染者からの飛沫は空気中に出ません。またウイルスが入った飛沫が飛んでいても、不織布マスクをしていれば、それを吸ってしまう可能性も少なくなります。

マスクにはほかにもウレタンマスクや布マスクがありますが、ウレタンマスク(ポリウレタンが素材)はすき間が50-200マイクロメートルとされています。また、布マスクはすき間が100マイクロメートル。したがって、ウレタンや布では飛沫も通過してしまいます。

「マスク別の除去率」の実験の結果が「東洋経済オンライン」に載っていますが、どの大きさでも除去率は不織布マスクが一番高いですね。

街中や電車内では鼻の横や頬、顎(あご)にすき間が目立つ人も多いです。せっかくマスクをしていても皮膚とのすき間から飛沫が入ってきたら意味がありません。なるべく、すき間がないように装着するように心がけましょう。

不織布マスク以外のウレタンや布の素材を選ぶ人もいます。デザインが豊富になり、おしゃれ感覚重視で選ぶ人もいるのではないでしょうか。マスク製造会社には叱られるかも知れませんが、感染予防については不織布マスクが優れています。

感染予防で大切な点の一つは、「ウイルスが付着した自分の手で直接顔を触らない」ことです。いくつかの研究によると、人が1日に顔を触る回数は60-400回だそうです。思っている以上に鼻、口、頬など顔を触っているのです。

マスクは顔を直接指で触れるのも防いでくれるのです。

飛沫核感染という感染経路があります。ウイルスが飛沫(唾液)に入っている状態で吸い込んで感染するのを「飛沫感染」、その飛沫が空気中に漂っている間に唾液が乾燥し、ウイルスだけになり、そのウイルスだけを吸い込んで感染するのを「飛沫核感染」といいます。付着していた唾液が乾燥し、身軽になったウイルスは空気中に一定時間漂っています。密室ではそのウイルスを吸ってしまう可能性が高くなるので「部屋の換気」が重要になります。電車やバスでは「窓開け換気」をしきりにアナウンスしていますが、家や職場でも1時間に1回程度の「窓開け換気」をしましょう。

ワクチン接種が始まっていますが、マスク、手洗い、換気、三密を避けるなどそれぞれを合わせて予防に努める必要があります。

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