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今はワクチンといえば新型コロナワクチンの事を指すかもしれません。
新型コロナにはまだ特効薬がありません。しばらくは、ワクチンの感染防効果に期待します。しかし、ワクチンの種類や年齢などによる効果の判断はまだこれからの調査、研究を待つしかありません。
コロナワクチンの2回接種はいつまで効果が持つのでしょうか。変異ウイルスが毎年登場し、毎年変異に対応したワクチンを接種する必要があるのか。
新型コロナウイルスワクチンで現在使用中のものは、mRNAワクチンとベクターワクチンの2種類ありますが、例年のインフルエンザワクチンや普段子供に接種するような、各種生ワクチンや不活化ワクチンとは違うタイプです。
新型コロナウイルスワクチンについては研究待ちですが、ワクチンには接種した場合の免疫の効果(抗体を獲得したかどうか)に個人差があります。
また、変な「例え」での説明です。
記憶力テストで、10個の果物が写った写真を見せて、どんな果物があったか覚えてもらいます。何日か後に、何個記憶しているか、テストします。6個以上覚えていれば合格(免疫を持っている)とします。10個覚えている人もいれば、ギリギリ6個の人もいます。また、全く覚えていなくて正解がゼロから5個の人もいるのです。このように、記憶したはずなのに(ワクチンを接種したのに)、記憶が未熟(免疫が充分つかなかった)な人も一定数います。
さらに、たとえ10個覚えていた人でも時間が経つと3個、4個しか覚えていなくて、いつの間にか不合格(免疫がなくなってしまう)になっている場合もあります。
このように、ワクチンを打っても最初から免疫がつかない人の場合をprimary vaccine failure、一次性ワクチン効果不全といい、何年か経ってから感染を防御できないほど免疫が低下する人の場合をsecondary vaccine failure、二次性ワクチン効果不全といいます。
2007年に高校生、大学生で麻疹(はしか)が大流行し、多くの大学で休講対策がとられた事がありました。何故、10代後半から20歳代の若者が麻疹になったのか?感染者には子供のころに麻疹ワクチンを打った人、打たなかった人がいました。昔、接種したけども、20年前後で免疫が低下した人、最初から免疫が付かなかった人。そして、打たなかった人もいたのです。この「打たなかった人」の理由は2007年当時の高校生、大学生が子供のころの1989年は、おたふくかぜ、麻疹、風疹が一緒になった混合ワクチン(MMR)があったのですが、その中に入っていたおたふくかぜワクチンによる髄膜炎の副反応が報告され、1993年に中止となりました(現在のワクチンは安全です)。麻疹ワクチンも風疹ワクチンも単独のものを使用することになりました。しかし国民のワクチンへの不信感もあり、接種を控える家族が増えました。
この「ワクチン接種を控えた世代」が10歳から20歳代にいたのも2007年麻疹流行の一因とされました。つまり流行のきっかけは①接種して有効な抗体があったが、20歳前後で低下した、②接種したが最初から有効な免疫が得られなかった、③接種を受けなかった、の3パターンが合わさったのでした。
現在は麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)を2回接種し、免疫効果を上げます(ブースター効果)。以前は2回打たなくても、周囲に麻疹感染者がいたので、知らずにあたかもワクチンを受けたのと同じ効果で免疫が上昇していたのです(自然にブースター効果)。
電車に普段乗っていると、知らぬ間に駅順を覚えるのと同じで、先述の果物記憶も時々、復習すれば記憶が長持ちするのと似ています。人間の記憶力と免疫力はどこか、似ていますね。