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手足口病が全国的に流行しています。
「流行=怖い」ではありません。まず、知識を持ち、病気を知ることで落ち着きましょう。
昔から夏風邪の一つとして知られています。そう、昔からある、小児科では当たり前の感染症なのです。
ただ、お父さんやお母さんにとって我が子の初めての経験であれば、心配もあるでしょう。皮疹が多数、結構派手に出現する場合もあり、驚き、怖さも感じることもあるでしょう。いつ登園してもいいのか、という悩みもあります。
手足口病は保育園や幼稚園の集団生活で流行することが多いのです。会話やくしゃみなどからの飛沫感染が多いのですが、糞便にもウイルスが出ますので(それも1か月以上排出されるといわれています)。なかなか完全な感染予防は困難です。潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)は4-6日前後ですが、皮疹がまだないこの期間にも他人に感染するので、ますます予防は難しいですね。
原因ウイルスは複数あり、コクサッキーA16とA6、エンテロウイルス17の3種類が主なものです。
発熱が約30%に見られます。発熱が無い場合の方が多いのです。
何といっても、皮疹が手掌や手の甲、指、足底や足の甲に出るのが特徴です。お尻や太腿にも出る場合があります。
そして、口内や舌、口の周囲にも出ます。下写真参照(国立感染症研究所)
学校保健法では、熱が無く、食事が摂れていれば、皮疹があっても登園や登校は可能、となっています。
便中にも長期に渡ってウイルスが排出されるので、長い間、園や学校を休むのは現実的ではない、とのことです。
つまり、皮疹が残っていても、熱が無く、元気で食事が摂取できていれば登園・登校は可能なのです。中には”ブツブツ(皮疹)があるのに登園している”、との間違った批判もあるようですが、これはお門違いで登園登校には問題ありません。
足立区では保護者が記入する「登校・登園・登室届」があるので、保護者の判断で登園登校が可能と判断すればこの用紙にその日にちを記入すれば登園登校できます。医師に確認しなくてもかまいません。皮疹があるからといって躊躇する必要もありません。
手足口病は基本、こどもの感染症ですが、まれに成人にも感染します。感染者がいる家では手洗い(特にトイレの後)、手洗いのタオルを別にしたり、使い捨てのペーパータオルを利用しましょう。なるべく、感染者の手足や体に触れないことも方法です。
ごくまれに、急性髄膜炎や脳炎の合併がありますが、基本は軽症で済む疾患です。
特効薬はなく、対症療法として、皮疹が痒ければかゆみ止め塗り薬や抗ヒスタミン薬内服などもあります。
咽頭痛を軽減する内服薬もありますが、まず、刺激の少ない飲み物、食べ物を与えましょう。
保育園や幼稚園で流行し、もし、自分のお子さんが手足口病になっても、大騒ぎせず、まず医師に診断してもらいましょう。