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5月8日に医療者として1回目のコロナワクチン(ファイザー社製、mRNAワクチン)を受けました。
足立区の小学校での集団接種。いつも子供たちにワクチンをさんざん打っておきながら、いざ自分の身になれば心配も多少ありました。毎年インフルエンザのワクチンも受けてはいますが、まず、
何といっても世界的にも初めてのワクチンです。医者でも予想外のことがおこるのではないか、と思ってしまいます。。そして、発熱や疼痛、倦怠感が強く出て、仕事に影響が出るのではないか、という懸念もありました。接種翌日に症状が出やすい、ということで、月曜からの仕事に影響がでないように土曜接種を希望しました。接種から10日経過しましたが、接種翌日まで接種部位を圧迫すると軽い痛みがあるだけで、発熱や倦怠感は全くありませんでした。
もう一つ心配だったのは、コロナワクチンは筋肉注射(三角筋)だということです。日本では1960年代から1970年代初頭にかけて小児への筋肉注射で筋肉の拘縮(筋肉組織が固くなってしまう)が問題になりました。その当時はまだ輸液技術が確立しておらず、医者や地域によっては抗生剤や解熱剤を腕や大腿、臀部の筋肉に接種する頻度がかなり多かったのです。
1976年、日本小児科学会は小児への注射は必要最低限にすべき、という提言を出しました。こういう歴史があったためか、日本での予防接種は基本「皮下注射」です。皮下注者の場合は針を斜めに浅く差します。筋肉注射は針を深く入れるため垂直に刺します。コロナワクチンの接種場面はテレビでも度々放映されているので、ご覧になった人も多いでしょう。海外ではどのワクチンも筋肉注射が当たり前なのです。コロナワクチンは日本でも筋肉注射ですが、これはこのワクチンが今のところ外国製のみなので、臨床試験はすべて筋肉注射によるものだからです。したがって、その効果や副反応などは皮下注射では不明なのです。
僕自身も筋肉注射は初めての経験でした。接種者した人の意見では「思ったほど痛くなかった」、「少しだけ痛かった」、「全然痛くなかった」の順に多い気がしますが、僕は「全然痛くなかった」のです。実際は痛みの有無よりも、打ってくれる看護師さんの手技が気になりました。上腕の筋肉注射の場合は、打つ方の腕をまっすぐ下に垂らすのが良く、腰に手を当てると接種部位確定が困難になります。
接種部位は主に2つあります。
1)肩峰(肩関節の出っ張り)から3横指(指3本分の幅)下の部位。
2)肩峰から下におろした線と腋窩の前後線が交わる部位
1)よりも2)の方が1-2センチ低い位置になります。どちらも関節や神経を傷めない方法です。会場では接種部位はどちらかに統一されていると思います。
先述のように、日本では子宮頚癌ワクチンを除いて、筋肉注射はほぼ経験がなく、しかも腕に垂直に刺すという見た目が怖い?という海外と比べると余計な心配事があるのです。
防衛省主導の高齢者用「大規模接種センター」が5月24日から3か月間、東京と大阪に設置、運営されます。東京センターでは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の在住者で、自治体から送られる接種券を持っていること、が条件になっています。
予約システムの問題、同じ日に同じ人に2回打ってしまったり、など問題・課題は山積です。
若い世代の人にもいずれ接種が始まります。今回のコラムは接種部位など多少詳しすぎた内容もありますが、接種する時は現地の担当者の指示に従ってください。当日は肩を出しやすい服装にするのも大事です。実際、接種前に肩を出すのに苦労している人もいました。