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「新型コロナとインフルエンザ」


「新型コロナとインフルエンザ」

新型コロナウイルスの健康、経済への影響はまだまだ続きそうです。マスク、手洗い、不要不急の外出はしない、密にならない、などの対策はすでに1年以上。子供たちも不自由な暮らしを強要されてきました。

新型コロナとは違いますが、2009年、「新型インフルエンザ」が日本でも大きな社会問題になりました。小児の感染者も多くみられました。それまでの季節性インフルエンザとの違いは、気管支喘息の持病がある人に肺炎や気管支炎の合併が多かったことでした。当時、働いていた大学病院の小児科病棟にも新型インフルエンザに肺炎、気管支炎を合併した子供たちが多く入院していました。今のコロナと同様、呼吸器や心臓などの慢性疾患を持つ人へ優先的にワクチン接種を行う案もありました。幸い、今の新型コロナとは違い、すでにインフルエンザの治療薬があったので、新型インフルエンザの重症化はほとんど見られませんでした。しかし、世の中はパンデミック(世界的大流行)というほぼ初めて耳にする言葉に戦々恐々となりました。いつまた、インフルエンザも今までにない変異を起こすかわかりません。“彼ら”も生き延びようとしているのです。

ウイルスはインフルエンザもコロナもはるか昔から生き延びてきています。子孫を残そうと少しづつ遺伝子を変えていきます(変異)。自家用車も同じ車種名であっても何年かに一度、マイナーチェンジするのと似ています。自動車メーカーの生き残る手段です。

例年は秋から翌年の春先まで、季節性インフルエンザが流行しました。小児科にも流行期は毎日、朝から夕方まで発熱患者が押し寄せました。インフルエンザ検査、結果の説明、陽性であれば薬の種類の説明、吸入薬の場合は吸入がきちんとできるかの確認、学校を休む期間の説明等。

朝一番には「〇〇小学校の△年□組が学級閉鎖」など地域の各学校の学級閉鎖や学年閉鎖の情報が自治体からクリニックにFAXで届きます。多い日は10件以上の学級閉鎖や学年閉鎖があります。毎年、各学校の先生方は対応で大変でしょう。

園児や学童がインフルエンザ患者になった場合や感染しなくても学級閉鎖になって家で待機となれば、親御さんも仕事を休まねばならない場合もでてきます。毎年、子供たちとその家族、学校や園の職員も大変な思いをしてきました。小児科医は常に感染者とその周囲の人たちの大変さも理解しています。

しかし、昨秋からは皆無といっていいほど、インフルエンザ患者はいない状況でした。毎年のあの慌ただしいインフルエンザ騒動(?)は何だったのでしょう、という感想です。コロナ対策でのマスク、手洗い、外出の控えもありましたし、さらにはインフルエンザワクチンを今まで接種していなかったがコロナ禍での心配で昨年は接種したという人が多くいました。

以前はインフルエンザ流行下でも人混みの中や電車内はもちろん、飲食店でもマスクはしていませんでした。つまり、コロナ禍並みにマスク装着などの予防をしていれば、毎年のンフルエンザ感染も大きく減らせる可能性大です。インフルエンザ患者減少の本当の原因はこれから様々な研究がされ、結論が出るまで何年か先になるかもしれませんが、これらの予防対策はおそらく重要な要因だと思われます。

新型コロナについては、今後はワクチン開発と変異ウイルスとのイタチごっこになるかも知れません。感染防止にはまず十分な睡眠をとって体を休める、1日3食しっかり摂取する、という生活の基本が大切ですが、意外にできていないお子さんも多いのではないでしょうか?

ワクチン開発や特効薬など最先端の技術を期待するのは勿論ですが、生活の基本をもう一度見直す必要があるかもしれません。新型コロナの動向も心配ですが、今年の秋、インフルエンザの流行があるのか、非常に気になります。

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