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アナフィラキシーで使用するエピペン


・エピペンはアナフィラキシー用の携帯用アドレナリン自己注射器

エピペンは日本においては2003年、養蜂業者や森林で働く人たち用に認可されたのが最初でした。

2005年以降、食物アレルギーにも適応され、年々、所有者は増えています。今はコロナウイルスワクチン接種でアナフィラキシー症状出現時に備え、エピペンを準備している接種会場もあります。アレルギーの原因が何であれ、アナフィラキシー症状が出現したり、疑うような症状があれば、一刻も早くエピペンを接種する必要があります。

エピペンには少しでも早く接種可能なようにあらかじめアドレナリンが入っています。

・エピペンの本体と使用法

エピペンには二種類あり、「0.3mg」と「0.15mg」があります。体重30Kg以上の人は0.3mg、15Kg以上の人は0.15mgのものを使用します。

本体は透明ケースに入っています。使用時はケースから取り出し、先端の青い安全キャップを外し、本体中央を握り、オレンジ色の先端を患者の太もも外側に垂直に軽く当ててから、カチッというまで押し付けると、薬剤が注入されます。そのまま5秒間押し当ててから抜きます。

エピペンはあくまで応急処置です。効果の持続は長くて20分です。必ず、救急車を呼んだ上でエピペンを使います。

 

・エピペンに入っているアドレナリンとは?

アナフィラキシーでは蕁麻疹や嘔吐・下痢の消化器症状もでますが、命に直接かかわる低血圧や重症の気管支喘息発作をいち早く改善させる必要があります。

アドレナリンの効果は速効性で、交感神経を活性化させ、血管の収縮と心臓の機能を増強し、その結果血圧が上がります。喘息発作に対しては狭くなった気管支を広げる作用があります。

・どういう人がエピペンをもっているのか

エピペン所有者は圧倒的に食物アレルギーの人です。小児については普段の学校生活の他、遠足、部活の合宿、修学旅行や家族での旅行に携帯しています。エピペンは処方可能登録医が必要に応じ処方しますが、その薬の作用、いつ使用すべきか、使い方など十分に理解し、「適正使用同意書」を確認の上、署名が必要です。

・いつ打てばいいのか

子供さんの場合は年齢や症状によっては自分で打てない場合もあります。学校で子供がアナフィラキシーで意識もうろうとなった場合など教職員が打たなければならない状況もあります。しかし、医療関係者ではない人が他人に注射を打つというのは大変な勇気が必要です。

学会ではアナフィラキシーの場合は迅速なエピペン接種が必要とし、下記の表の症状が一つでもあれば使用すべきとしています。

平成25年に調布市の小学校で、給食によるアナフィラキシーで亡くなった女の子がいましたが、教室に自分のエピペンがあったのにもかかわらず、接種したのは症状が出てから約15分経過してからでした。

・早まって打ってしまっても大丈夫?

アナフィラキシーの場合は迅速に接種するのが第一なのですが、「本当は打たなくてもよかった場合に打ってしまったらどうなるの?」という心配があります。

調布市の事故があった後、園や小学校の先生が、エピペンを持っている子供がいるので、どうすればいいか、と質問に見えることが何度かありました。

エピペン(アドレナリン)自体による症状は頭痛、不安、動悸、手のふるえなどがありますが、一時的なものです。接種をためらって命を落とすことは避けたいですね。

また、医師ではない教職員がエピペン接種を接種しても医師法違反にはなりません。

エピペンを持つ場合は、家族は園や学校の教職員と綿密な対策を考え、園や学校と方針・情報を共有しておく必要があります。

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