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離乳食


最近はあらゆるものに「マニュアル」、いわゆる手引書があり、誰でも一定の方法を得られる反面、画一的になり、「その方法以外はダメ」という意識も持ってしまう場合もあります。

授乳や離乳食についてもマニュアルを参考にしても思うようにならずに悩む家族も多いのです。

離乳食も一般的には下の表(母子衛生研究会のHPから)のような「マニュアル」的なものがあります。

ただし、この表に100%従う必要はないのです。赤ちゃんはロボットではありません。周囲の大人が決めた時間には食べてくれませんし、いつも同じ量は食べてくれません。大人にも食欲がある時、ない時があります。赤ちゃんの授乳や離乳食は気持ちを大きく持って、気長に進めましょう。「食欲」は人間の欲の一つですので、今食べてくれなくても、きっと食べてくれます。そして離乳食の大きな目的には「固形物の食事を自分の歯ぐきや歯で噛んで、飲み込む練習」があります。離乳食が始まる前までは母乳や人工乳という液体でしたが、離乳食の初期は液体よりもやや形になった「なめらかなものを飲み込む」固さから開始します。次第に固くしていき、噛んで咀嚼し、飲み込むという一連の動作を習得します。

日本などアジア諸国はお米から開始する国が多いのですが、考えてみれば、国によって食材はもちろん、風習や伝統によって離乳食の食材や与え方も違ってきます。離乳食は国によってまちまちでも、どの国の子供も成長していくのです。

以前、川崎市でのアレルギー相談を担当していましたが、親御さんがまだ無症状の赤ちゃんのアレルギーを心配して、「アレルギーにならない離乳食の進め方を知りたい」、「親やきょうだいがアレルギーなので生まれた赤ちゃんの対応の仕方を教えてほしい」という相談が非常に多く、中には生まれる前からアレルギーを心配する家族もいました。

ひと昔前まではアレルギー予防に「妊娠中や授乳期は母親も卵をひかえるべきだ」や「卵の開始は遅らせた方がよい」という「通説」があり、今でもそういう家族がいます。しかし、妊娠中や授乳期にお母さんが食事を制限したり、卵などの開始を遅らせてもアレルギー発症の予防にはならず、むしろ早めに食べ始めた方がアレルギー発症のリスクが減るという研究結果が増えてきました。

食物アレルギーを心配しすぎて保護者の判断で卵を食べておらず、保育園や小学校に入るときに慌てて給食の相談を受けることも多くあります。

重症のアレルギー歴がない限り、特に卵については遅くても1歳のうちに食べるようにしないとその後が大変になります。2歳以上でまだ卵を食べていないと、たとえ卵のアレルギーがなくても、小学生や中学生になっても本人が自分の意志で食べなくなる場合もあります。赤ちゃんの頃から卵を食べなかった結果、自分で「卵は食べ物ではない」という判断をしてしまうのかも知れません。つまり、卵アレルギーというよりも、単に卵嫌いになるのです。他の食物にも「こだわり」を持ち、食べる食材は2-3種類のみ、という極端な偏食になってしまう場合もあります。

園や学校では「生活管理指導票」というアレルギーの人について医師が記載する書類があります。毎年、新年度前に書類を持ってくる家族がいるのですが、中には

数年以上、「鶏卵は完全除去」を継続している家族もいます。中学生になってもそのままという場合もあります。せっかく、日本は食生活が豊かな国なのですから、無意味な除去食は避けたいですね。もし、食物アレルギーや離乳食、生活管理表の記載など相談がありましたらいつでも受診してください。

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